当初、カンパラに着いたら、ダウンタウンにある安宿に泊まろうと思っていたのだが、バスで隣り合わせたジョゼフが、ダウンタウンは危険だからと、自分の家に泊まるように申し出てきた。ジョゼフは、お母さんとおじさんの3人暮らし。カンパラの中心部から、タクシー(ケニアで言うマタツ)で、20分ほどかかる郊外の町に住んでいる。正直、バスに隣り合わせただけの男など信用してもいいものかという不安はあったが、家族構成を考えても、大それたことはできなさそうだし、取られて困るようなものも持ち合わせてはいない。ウガンダでは、まず始めに、ジンジャに行って、ナイルの源流を見るつもりだったので、カンパラの中心部にいる必要もない。何より、ウガンダ人の家庭というものを垣間見ることのできるいい機会でもある。思い切って、2~3日、泊めてもらうことにした。

 ジョゼフの家は、コンクリートつくりで、屋根はトタンでできている。こう言うと粗末な家のようだが、造り自体はしっかりとしており、構造も広く、なかなか快適に作られている。ウガンダに入国してすぐに感じたことだが、素材は別として、ウガンダにはきれいな家が多く、道行く人も、みんな、きちんとした服を着ていて、生活レベルは、それなりに安定しているように感じた。実際、ジョゼフは、MP3で、音楽をよく聴いているのだが、ケニアでは、CDフレーヤーはおろか、ヘッドフォン・ステレオさえ、庶民はなかなか持てないことを考えれば、やはり国民の生活は、アフリカ国内では、比較的、高い方なのだろう。